ワンパンで不妊治療のラスボス「顕微授精」となった悲劇

30代の不妊治療(顕微受精)体験ブログです。

夫の改心

次回の精液検査日を決めて、病院を後にしたその日から、禁煙、禁酒、嫌いな物もちゃんと食べる、睾丸を温めない、牡蠣は精子にイイらしい、ネバネバ食品もイイらしい・・・などなど、色々と情報を調べては試そうとする夫。

わたしが不妊扱いされているときは妊娠するタイミングや、女性の身体についてなんて少しも知ろうともしてくれなかったのに、自分のことになるとこの調子。

なんとも滑稽な風景。

終いには、自分の両親と牡蠣を食べに遠方までドライブに行ってました。仕事をしている妻を置いて。
お土産は果物。お義母さんが嫁への気遣いで用意してくれた模様。この夫は・・・どこまで行っても自己中です。

精液検査の結果が出て以降、そんな夫も少し気が滅入っているご様子。日頃のストレスを「こんのタネ無しが!」って言って発散してみようかと思ったりもしましたが、自殺しそうなのでしばらく我慢。

何度目かの検査の帰り際、夫の友人夫妻と飲みに行こうと言う話になり、その場で不妊の原因が自分だったことを告白していました。すると、その夫婦も不妊に悩んで病院通いをしているとのこと。色々な話を聞くことができました。

わたしも会社の人に相談してみました。なかなか子供のできない新婚33歳女を、まさか石女?の目で見ていた人もいたようで、噂をしていたおばちゃん達も、男性不妊でタネがなければ何も言いようがないのか、こどもはまだ?と聞いてこなくなりました。

はぁスッキリ。

ちなみにわたしの身体はまだまだ卵子も多くて健康体。やっぱりね!と思いましたが、ホっとしました。

そんな日々を数日過ごし、夫は2度目の精液検査を受けました。

結果は、なんとゼロ!

1回目はまだ数匹確認できたし、微力ながら動いてるのも1匹いたのに、今回はゼロとの診断。これにはだいぶショックを受けたご様子の旦那様。
病院側は、「まだ1ml分しか検査していないし翌日の奥様の診察時間までには、数匹でも見つかるようにくまなく探しますので、サインした同意書を持参してください。」との案内。
翌日、さすがに数匹くらいいるでしょ~!と期待しながら来院すると、「昨日夕方まで探したが結局1匹も見つかりませんでした。」と言われました。

トホホ。。。

ここで蔵本での診察は一旦終了。結局のところ蔵本ウイメンズクリニックという病院は女性の不妊症に関しての専門病院ということに気付きました。
ですので、我が家のような男性不妊に関しては専門外なので、手も足も出ないようです。
一応、山口在住の男性不妊専門の先生と業務提携していて週に1回診察をされる程度には診ていただけます。
ですので、検査の結果、不妊の原因が夫側にあった場合、手の打ちようがなく、先生たちのテンションはだいぶ低く、その後の対応はなげやり気味です。
タネがないわたしたちがいくら不妊治療に前向きに取り組みたいと思っても、蔵本では何もできないのです。

では、どうするのか?

それはTESE手術に踏み切ること。

蔵本でも提携しておられる先生がやれることはやれますが、手術は山口市内で行われ、そこから福岡市内まで重たい凍結精子を運ぶことになります。とても重労働で大変ですので、「天神つじクリニック」さんへ紹介状を書くことが多いようです。
うちの場合も遠方の先生を週1回待ちわびて診察を受けるのは・・・と思ったので、天神つじさんの紹介状をもらった方がいいのだろうなと漠然と考えてました。ですが、夫は大事なところにメスを入れる決心がなかなかつかないご様子ですし、蔵本の先生も出来ることがないので対応がおざなりですし、、、そのまま何もせず家に帰ってきてしまいました。

夫としては、お酒やタバコなど改めるべき生活習慣ははたくさんあるし、少し自分で自分の生活習慣を改善してみて、何も変化がなければ、そのときは手術に踏み切ることにしようかなと思っているようでした。

なので、次の休み・・・

すぐ泌尿器科に検査に行くのかと思ったら、寝ている夫。

私の心の中は・・・

急げよ!
こっちは刻一刻と年取るんだよ!

と、思っていても、夫が焦るご様子は一切ありません。
ですが、夫も精神的にだいぶストレスを感じておられるご様子なので、仕方ないかと諦めました。
そのまま時間は無常にも過ぎてゆき、ようやく重い腰を上げ、地元の泌尿器科を受診し、天神つじさんへの紹介状をもらったのはそれから数日後。

すぐに診察の予約をするように言ってもまたなかなか動かない夫。ようやく診察の予約を入れたかと思えば、そこもどうやら受診される方が多いようで、紹介状を持っての初診でも2週間後にしか予約ができませんでした。

だから急げって言ったのに!と、とてもイライラしてしまいました。

それから診察を2回。どちらも精液検査をしましたが、精子数ゼロ。精策静脈瘤があるようだけれど、先生の診断では妻の年齢を考慮してMD-TESEを優先施行することが決定。

今思えば・・・初診の精液検査のときに数匹いた精子ちゃん達は、やはりとても貴重なものだったんですね。貨幣価値に置き換えると、35万円だったようです。

それから数日経って、病院から手術日程の空き日を告げられて帰ってきた夫。自分の仕事のシフト表と見合わせ、発した言葉は「どこもダメだ。」でした。

夫の仕事先には、タネ無し報告は済んでいます。その手術の為に休みをもらうことにも許可をもらっています。それなのに「どこもダメ」とはどういうことでしょう?

結局、急がない夫のおかげで、2ヶ月待てばよかったTESE手術は3ヶ月後に予約されました。わたしの卵が毎月年を取り、毎月ひとつずつ減っていくという考えは毛頭ないようで、”仕事の都合”を優先され日程を決められてしまいました。

ほんとにほんとに思いやりのかけらもなく、思わず泣いてしまうわたし。泣く理由を聞かれたので、

「あなたが原因で不妊治療に付き合わないといけないのに、”仕事の都合”を優先されて手術日程を先延ばしして決められたことが悲しい!」

と、ハッキリ言ってやりました。

夫に悪気はないのは分かっています。でも、相手があることです。少しでも思いやる気持ちがあるのならば、自分の「仕事の都合で先延ばし」なんて言葉を、妻めがけて発しますか?
離婚して別のパートナーと何の苦労もなく子供を授かりたいなー。なんて気持ちも正直ありました。

気を取り直してお金のお話。
手術の説明をされた際に、ようやく金額が提示されました。MD-TESEに22万円、凍結に6万円、その他3万円で、合計31万円とのこと。
プラス、術前検査で2万円、更に患者が多くて病床が空いてないのか、入院はさせてあげれないけれど、翌日も診察には来てもらいますとのことで、病院の目の前のホテルに泊まるよう指示されました。

なんじゃそりゃ?

しかもなぜか夫に付き合わされてわたしまで。その費用15000円。総額おおよそ35万円。
保険診療ではないため、全額自費で、なかなかの金額です。

結婚してすぐ加入した医療保険に、ダメ元でMD-TESEで保険がおりるのか確認したところ、おりないとの返答でした。
わかっていたことだけど・・・負担額が大きいだけに落胆してしまいました。
そこで言われた説明に、なるほどと思ったのですが、「そもそも保険診療の項目のみを対象としています」との案内をされまして、てことは、3割負担の健康保険に強制加入している今、民間医療保険はいらないものだなと思いました。

まぁ、何かのときのために入っておきますけどね!!